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ゴミと宝は紙一重?きっかけひとつで常識は簡単に覆る

先日、長らく「ゴミ」として厄介者扱いされてきたある海藻が食品として実用化されている、とのニュースを目にしました。


海藻の名前は「アカモク


私もそうですが、恐らく初耳の人も多いかと。。

 

アカモクとは日本各地に生息しており、漁業関係者の間ではほぼ「ゴミ」として扱われてきた海藻だそうです。
食べられないわ、船のエンジンやしかけた網に引っ掛かるわと。まさしく厄介なゴミとして忌み嫌われてきました。

 

しかし、実は一部で食用とされていたこともあり、10年ほど前から商品化にも着手されていました。
驚くことに「食べられる」だけでなく、エイズウイルスの増殖を抑えることが研究で確認され、いわゆる最近で言うところの「スーパーフード」として広まる期待が持たれたのです。

 

ところがどっこい。
どうしてもアカモクについて「ゴミ」の印象が強い人たちにとっては、いくら「食べられる」「健康的である」と言われても抵抗感はぬぐえません。

 

ゴミはゴミ。食べ物じゃない。

 

我々日本人から見た「犬は食べ物じゃない」的な感覚と同じで、染みついた固定観念はそう簡単に変えられないのでしょう。

しかし、日常的に食している人にとってはそれがおかしいどころか、文字どおり「当たり前」の話でしかありません。

 

日本人の多くがクジラを平気で食べますよね?
一方、海外の一部からは「野蛮」「非人道的」とみなされてしまう。

 

恐らく食の固定観念というのは、文化そのものと同じぐらいに変えることが難しいのでしょう。

 

ではこの「アカモク」もやはり商品化に失敗したのか?

 

実は出だしこそつまずいたものの、意外な発想転換で着々と人気を高め高め続けているのです。

 

その発想転換とは…

 

地元を通り越して、東京のおしゃれな店に売り込む作戦。

 

何故これが当たったのかというと、東京のような都会では「アカモク」の存在そのものが全く認知されていなかったからです。

 

アカモクはゴミ、などという固定観念以前に、存在そのものを知らない。
しかし、話を聞けば健康にも良い。新しい食材だからレパートリーも増やせる。などと、十分にメリットのある食材と捉えられたのでした。

 

「ゴミ」という固定観念を変えて売ろうとするのではなく、固定観念自体が存在しない所へ売り込む。

シンプルですが意外と思いつかない、それでいて理にかなった見事な戦略だと感心してしまいました。

 

結果このアカモクは「都会で流行っている新しい食材」として、本来「ゴミ」扱いされていた地域でも売れるようになったのです。

 

こういったところの人間心理は実に面白いですね。

 

都会の人は新しいものに抵抗がない。新しい流行をどんどん広めようとする。
逆に地方は流行発信地である都会の情報を受けてニーズが高まる。

 

最終的に同じ結果に辿り着いたとしても、背景には地域ごとの性質・傾向に即した広がり方が実際は存在している訳です。

 

恐らくこのビジネスモデルは地方の人たちにとっても大いに教訓となるでしょう。
地方が活性化し、経済全体を盛り上げていくうえでも、非常に興味深いケースとなるはずです。

 

私の身の回りにあるゴミもほんとはお宝じゃないのかな…。

もしかしたらそんな妄想すら現実に出来るかもしれないと感じた今日この頃でした。